マダニに咬まれていなくても感染──獣医師の命を奪った“見えない感染”の正体
- 動物の病気
マダニに咬まれなくても感染する──命を奪うSFTSの真実
ペットと暮らす私たちにとって、知っておきたい感染症があります。
それがSFTS(重症熱性血小板減少症候群)です。
マダニから感染するウイルス性の病気で、
発熱・嘔吐・下痢といった症状があらわれ、
重症化すると命に関わることもある感染症です。
実は「動物から人へ」もうつる感染症です
この病気については「マダニに咬まれることでうつる」と紹介されることが多いですが、
実はそれだけではありません。
感染した動物の唾液や体液に触れることで、人にうつるケースも報告されています。
たとえば、最近ニュースになったのが、三重県のある獣医師の方のケースです。
この方は、SFTSに感染していた猫を治療している最中に感染。
つきっきりで治療にあたられました。
その献身の甲斐もあり、猫は無事に回復して退院できたそうです。
けれど――
その先生ご自身は、感染がわかってからわずか10日ほどで帰らぬ人となってしまいました。
別の獣医師の方は、皮下点滴中に猫が暴れた際、点滴針が外れて液が目に入り、感染。
入院治療を経て回復されましたが、
「インフルエンザで入院した時よりもずっとつらかった…」
と話されています。
マダニに咬まれなくても、感染は起きる
感染した動物の唾液や体液にはウイルスが含まれていて、
ほんのわずかな量が体に入るだけでも、発症することがあります。
つまり、マダニに咬まれなくても感染する可能性があるのです。
高齢者にとっては命に関わることも
SFTSは特に高齢者が重症化しやすく、致死率も高い病気です。
- 日本国内の患者の約90%が60歳以上
- 死亡例の年齢中央値は80歳超
- 致命率は27%(国立感染症研究所調べ)
三重県の獣医師の方も「高齢」と報道されましたが、まだ65歳でした。
年齢に関係なく、誰でも感染・重症化のリスクはあるのです。
治療薬があっても、まだ確立されていません
2024年8月、抗ウイルス薬「アビガン」が治療薬として承認されました。
しかし…
- 今後の効果や安全性はまだ不明
- 1錠約40000円と非常に高額
- 10日間で90錠=およそ100万円近い医療費(3割負担の場合)
できれば「お世話になりたくない薬」と言わざるを得ません。
一番の予防は「感染しないこと」
そして「感染しても発症しない身体をつくること」
SFTSは、治っても腎臓などにダメージが残ることがあります。
一度損なわれた臓器は、元通りにならないこともあるのです。
だからこそ、感染しないこと。
そして、万が一ウイルスが体に入っても、免疫の力で発症を抑える「強い身体」が命を守るカギとなります。
当院が大切にしていること
当院では、西洋医学だけでなく、東洋医学(漢方薬や鍼灸など)も取り入れた統合医療を行っています。
- 西洋医学は、急性期の治療や検査で力を発揮
- 東洋医学は、病気に負けない身体づくりや、再発予防に強み
特に高齢の子や、副作用が心配なご家族にとって、
東洋医学のアプローチはやさしく、長く寄り添える選択肢になります。
元気な時間を、1日でも長く
「今は元気だけど、なんとなく不安」
「何かできることがあるなら、知っておきたい」
そんなときこそ、私たちにご相談ください。
小さな備えが、大きな安心につながります。
大切なご家族と過ごす“元気な時間”を、1日でも長くするお手伝いができれば嬉しいです。
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病気になる前からできること、一緒に考えていきましょう。