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犬と猫の食欲不振について|ストレスや病気が隠れているかも?

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食欲不振とは文字通り、空腹を感じない、食事を取る気が起きないため十分な食事量を確保できない状態です。

しかし、食欲不振は多くの病気で見られるため、食欲不振の症状だけでは病気の診断ができません。

 

この記事では、犬と猫の食欲不振や漢方や鍼を使った治療について詳しく解説します。

■目次
1.食欲不振の原因と考えられる病気
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

 

食欲不振の原因と考えられる病気

犬と猫の食欲不振は様々な原因で発生しますが、主な原因は以下の4つに分けられます。

 

体調不良

胃腸炎や異物の誤飲、膵炎、寄生虫疾患といった消化器系疾患、神経系疾患、心臓病や腎臓病、肝臓の疾患、腫瘍、尿路疾患、子宮蓄膿症など様々な病気で発生します。

犬や猫が痛みを感じると食欲が低下するため、痛みを感じる病気では食欲低下が見られます。

 

口腔内のトラブル

歯が折れている、歯周病、口内炎などの口腔内のトラブルは口に強い痛みを感じるためフードを食べられなくなります。

犬や猫は人よりも歯周病になりやすいため、日々のデンタルケアが大切です。

 

フードが合っていない

新しいフードに切り替えた時や、今のフードの味に飽きてしまった場合などに食欲が低下します。

 

ストレスや加齢などその他の原因

引っ越しなどで生活環境が変わった場合や、加齢なども食欲低下の原因となります。

食欲不振に加えて、足先など体の一部をしきりに舐める、無駄吠えが増えた場合などはストレスが原因の可能性が高まります。

 

症状

食欲不振が起きると、いつも完食していたフードを食べ切ることができなくなる、ドッグフードを用意しても喜ばない、食に対する興味が失われてしまうことがあります。

 

多くの場合は水は飲めるものの、食欲不振が重度になると水を飲むことすら困難になることもあります。この状態が続くと、十分な栄養を摂取できずに体重減少や免疫力の低下、毛並みの劣化などの症状が次第に現れることがあります。

 

診断方法

まず、飼い主様からご自宅での状況を詳しくヒヤリングし、それに基づいて愛犬、愛猫の食欲が本当に低下しているかを判断します。よくあるパターンとしては、飼い主様が過剰にフードを与えていることに気付かず、結果的にペットがお腹いっぱいでフードを食べられなくなっているケースがあります。

そのため、ペットにどのようなフードを、どのタイミングで、どれくらい与えているのかを丁寧に問診します。

 

もし食欲不振が実際に見られる場合は、血液検査やレントゲン検査、エコー検査などを通じて、身体の健康状態をチェックします。

 

治療方法

体調不良や口腔内の問題が食欲不振の原因となっている場合は、その原因となる疾患に対して適切な治療を行います。

また、フードが合っていない、または味に飽きてしまって食欲が低下している場合には、適切なフードへの切り替えが重要です。

加齢やストレスが原因である場合は、ストレスを取り除くことや、食欲増進剤、漢方薬、鍼治療などを用いて食欲を改善することが目指されます。

 

食欲不振に用いられる漢方は、単に症状を抑えるのではなく、体質そのものを改善することにより、原因が明確ではない症状の治療に有効です。

 

また、鍼治療は自律神経を刺激し、ホルモンバランスを整えることで食欲の改善が期待できます。鍼治療の効果を高めるためには、八味地黄丸や牛車腎気丸、加味逍遥散、当帰芍薬散などの漢方薬を併用することがあります

これらは体のめぐりを整え、鍼治療との相性が良いとされています

 

予防法やご家庭での注意点

もし元気がありながらも食欲だけが低下している場合は、最初に1日程度自宅で様子を見るのが良いでしょう。しかし、以下の症状が見られる場合は、自宅で様子を見ることは危険ですので、すぐに動物病院を受診してください。

 

持病を持っている

・お水も飲めていない (脱水の危険性がある)

・子犬・子猫の場合 (子犬・子猫は短時間の絶食でも低血糖になることがある)

・シニアの場合 (食欲不振の原因に何らかの病気が関与している可能性が高い)

 

食欲不振は、以下のような日々のちょっとした工夫によって予防することが可能です。

 

・定期的な健康診断を徹底し、健康を維持する

・毎日30分程度の適度な負荷の運動を行う

・ストレスをできるだけかけない

・フードを複数種類用意し、同じフードを連続して食べさせない

・フードをお湯でふやかして香りを強める、好きなおやつをトッピングする

 

まとめ

犬や猫の食欲不振は様々な原因によって引き起こされるため、食欲不振の症状だけで原因を特定するのは非常に困難です。

特に体の小さい犬や猫は、数日間食事を取らないだけで身体に大きな影響を受けることがあります。そのため、「いつものことだから」と軽視せず、何か気になることがあれば遠慮なく獣医師に相談してください。

 

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