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夏に注意したい犬の膿皮症と漢方薬|漢方薬で愛犬の皮膚を健康に!

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膿皮症は、犬によく見られる皮膚病のひとつで、特に夏の高温多湿な時期に発生しやすくなります。この病気は細菌感染が原因で、一般的には抗生剤や抗菌作用のある外用薬、シャンプーを使って治療します。しかし、漢方薬による治療も実は非常に効果的です。

 

今回は、夏に注意したい犬の膿皮症と漢方薬について解説します。

■目次
1.膿皮症とは
2.症状
3.診察方法
4.治療方法
5.気を付けるべきポイント
6.まとめ

 

膿皮症とは

膿皮症は、細菌感染が原因で起こる皮膚病です。主な原因菌はブドウ球菌で、これは健康な犬の皮膚にも存在する「常在菌」のひとつですが、以下のような状況が原因で皮膚のバリア機能が低下するとブドウ球菌が異常に繁殖し、皮膚炎を引き起こしてしまいます

 

・アトピー性皮膚炎

・高温多湿の時期

・ノミやダニの寄生

・長くシャンプーをしておらず不潔な状態

・免疫力が未熟な子犬や老犬

・甲状腺機能低下症やクッシング症候群などの内分泌疾患

 

症状

膿皮症の主な症状には、以下のようなものがあります。

 

・痒みや皮膚の赤み

・発疹

・ニキビのような膿を伴う発疹(膿疱)

・脱毛

 

また、膿疱が破裂すると、表皮小環(赤みを円形に囲むように薄い皮が剥がれる状態)ができます。愛犬が患部を引っ掻いたり舐めたりすることで、症状がさらに悪化し、皮膚が黒っぽくなる「色素沈着」を引き起こすこともあります。

 

診察方法

まずは問診や視診を行います。その後、セロハンテープやガラスの板を患部に当ててサンプルを取り、染色して顕微鏡下でブドウ球菌の存在を確認します。

 

さらに、他の皮膚病の可能性を排除するために、被毛を抜いて顕微鏡で観察する検査や血液検査を行います。

治療がなかなかうまくいかない場合には、適切な治療薬を見つけるために細菌薬剤感受性検査を実施することもあります。

 

治療方法

膿皮症は細菌感染が原因で発生するため、治療の基本は皮膚の消毒と抗菌作用のある外用薬の使用です。これに加えて、必要に応じて抗生剤の内服も行います。さらに、薬用シャンプー保湿剤を使ったスキンケアも重要です。

 

当院では漢方薬による治療も取り入れています

「皮膚炎に漢方薬?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、漢方薬には皮膚の炎症を和らげ、膿を排出し、痒みを抑える効果があります。

例えば、抗生剤を長期間使用すると耐性菌が生じる可能性がありますが、漢方薬は耐性菌が発生しないため、長期的に服用できるというメリットがあります。

 

気を付けるべきポイント

膿皮症の治療は、最低でも2〜3週間続ける必要があります。しかし、症状が落ち着いてくると、途中で治療を中断してしまう飼い主様がいらっしゃいます。途中で薬をやめてしまうと、膿皮症の再発や耐性菌が生まれてしまうリスクがあるため、一見治ったように見えても、必ず獣医師の指示に従って最後まで投薬を続けるようにしましょう。

 

まとめ

夏は細菌が繁殖しやすくなるため、膿皮症の予防が大切です。今から温度や湿度をしっかり管理することをおすすめします。また、シャンプーや水遊びの後は、細菌が繁殖しやすい環境を作らないよう、しっかりと乾かすことが重要です。

 

当院では従来の西洋医学に加えて、漢方や鍼灸といった東洋医学を取り入れた統合医療を行っています。

個々の動物の環境、食事、体質などに合わせて、動物専用の漢方薬を処方いたします。オーダーメイドの治療が可能なことが漢方薬の強みです。

 

東洋医学は、痛みがあれば痛み止めを使うというように症状を直接治すのではなく、体質そのものを改善することを目指します。そのため、ホルモンバランスの乱れや原因がはっきりしない病気の予防にも有効です。

愛犬や愛猫の健康にお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

 

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参考:これ1冊できちんとわかる 図解 東洋医学(マイナビ)

 

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