犬と猫の関節炎に効果的な漢方・鍼灸について|痛みを和らげる
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関節炎は犬や猫によく見られる病気の一つで、特に高齢の動物に多く発症します。関節に負担がかかることで起こり、痛みを伴うさまざまな症状が現れるため、西洋医学、東洋医学を組み合わせながら痛みを抑える治療を行います。
漢方や鍼灸は関節炎の治療に有効で、西洋医学と組み合わせることで、より効果的な治療が行えます。
今回は、犬と猫の関節炎に効果的な漢方や鍼灸による治療について解説します。
■目次
1.関節炎とは
2.症状
3.診察方法
4.治療方法
5.気を付けるべきポイント
6.まとめ
関節炎とは
関節炎とは、関節の炎症によって痛みや腫れ、運動制限が生じる状態を指します。加齢や肥満、激しい運動、外傷、関節の病気、自己免疫疾患、細菌感染、遺伝的要因など、さまざまな原因によって引き起こされます。
症状
関節炎の初期段階では、症状が現れないこともあります。進行はゆっくりですが、痛みが出ると徐々に以下のような行動の変化が見られます。
・足を引きずる
・立ち上がり直後の動作が遅い
・運動を嫌がる
・散歩中に座り込む
・寝ている時間が増える
・ジャンプをしなくなる
・段差の上り下りをしなくなる
診察方法
診察では、まず視診や触診で関節の状態を確認し、関節に触って痛みや腫れがないかをチェックします。歩様検査では歩き方を詳しく観察し、どの関節が痛んでいるかを特定します。
さらにレントゲン検査を行い、骨の変形や関節の異常を確認します。
治療方法
軽度の場合には痛みや炎症を抑える薬や、関節をサポートするようなサプリメントを使用します。肥満の場合は、関節への負荷を抑えられるようにダイエットが推奨されます。
痛みや機能障害が生活に大きく影響する重度の場合には、関節を固定する関節固定術や人工関節への置換術が行われる場合があります。
当院では、さらに漢方や鍼灸による治療も行っています。
漢方薬は体全体のバランスを整えることで、関節の炎症や痛みを和らげます。しかし、漢方薬は犬や猫の体質や症状に合わせて選ばれるため、その子その子に合った処方が重要です。
また、鍼治療は体の特定のツボに鍼を刺し、気の流れを改善することで痛みを軽減します。さらに、灸治療では温熱刺激を用いて血行を促進し、関節の痛みを和らげます。
漢方や鍼灸は体全体のバランスを整え、関節炎の症状を根本から改善することを目指します。
漢方と鍼灸を西洋医学と組み合わせることで、より効果的な治療が期待でき、薬の量を減らすことができるというメリットもあります。
気を付けるべきポイント
肥満は関節に大きな負担をかけてしまいます。そのため、愛犬や愛猫が1日に摂取するカロリーがオーバーしないよう、日々の食事管理に注意しましょう。また、適度な運動は適正体重をキープするだけでなく、筋肉量を増やして関節への負担を軽減する効果も期待できます。
さらに、フローリングなどの滑りやすい床は関節に負荷をかけてしまいます。マットを敷いたり、足裏の毛をこまめにカットしたりして、愛犬や愛猫が滑って転ばないように工夫しましょう。
まとめ
関節炎は慢性的な疾患であり、完治させることは難しいため、まずは進行を遅らせたり症状を改善させたりする治療が中心となります。また、当院では少しでも根本解決ができるように漢方や鍼灸による治療も取り入れております。
普段の生活では適正体重をしっかりキープし、定期的に健康診断を受けて病気の早期発見・早期治療に努めましょう。
当院では従来の西洋医学に加えて、漢方や鍼灸といった東洋医学を取り入れた統合医療を行っています。
個々の動物の環境、食事、体質などに合わせて、動物専用の漢方薬を処方いたします。オーダーメイドの治療が可能なことが漢方薬の強みです。
東洋医学は、痛みがあれば痛み止めを使うというように症状を直接治すのではなく、体質そのものを改善することを目指します。そのため、ホルモンバランスの乱れや原因がはっきりしない病気の予防にも有効です。
愛犬や愛猫の健康にお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
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