猫の膀胱炎について|漢方と鍼灸でストレスを軽減し、再発を予防
- 動物の病気
- 症例紹介
- 院長ブログ
膀胱炎は、猫によく見られる病気のひとつです。検査をしても原因がはっきりしない「特発性膀胱炎」が多く、特効薬がないため再発しやすいのが特徴です。
また、ストレスが大きく関係していることもあり、当院では漢方や鍼灸を取り入れた治療を行っています。
今回は、猫の膀胱炎と、それに対する漢方や鍼灸の治療についてご紹介します。
■目次
1.猫の膀胱炎とは
2.症状
3.原因
4.診察方法
5.治療方法
6.気を付けるべきポイント
7.まとめ
猫の膀胱炎とは
膀胱炎とは、膀胱に炎症が起こることで、排尿に関連したさまざまな症状が現れます。
猫はもともと砂漠地帯で生活していた動物で、水分をあまり摂らなくても体を維持できるように進化してきました。そのため、尿が濃くなりやすく、膀胱に負担がかかりやすいのです。
また、ストレスや食事の影響も膀胱炎の発症に関係しています。特に、ストレスが原因で発症する「特発性膀胱炎」は、猫によく見られるタイプです。
膀胱炎は再発しやすい病気でもあるため、早期に適切な治療を受けることが大切です。
症状
猫の膀胱炎では、いくつかの特徴的な症状が現れます。たとえば、血尿や頻尿、残尿感、排尿時の痛み、尿漏れ、そして尿の量が減ることなどが挙げられます。
これらの症状が出ると、猫は頻繁にトイレに行くようになったり、排尿時に痛がったりする様子が見られます。
また、膀胱炎が進行して尿がまったく出なくなると、急性腎不全による尿毒症を引き起こし、命に関わる危険な状態になることもあります。
原因
膀胱炎は、細菌感染や尿結石が原因で起こることもありますが、多くの場合、原因が特定できない「特発性膀胱炎」です。
特発性膀胱炎の正確な原因はまだ明らかになっていませんが、ストレスや肥満が発症に関わっていると考えられています。
診察方法
診察では、まず問診で猫の症状や生活環境について詳しくお伺いし、その後、触診を行います。そして、血液検査や尿検査、レントゲン検査、超音波検査などを実施して、より正確な診断を行います。
これらの検査を組み合わせることで、膀胱炎の原因や重症度を詳しく評価し、最適な治療方針を決定します。
治療方法
治療は主に薬を用いて行いますが、特発性膀胱炎の場合は特効薬がないため、ストレスの軽減や対症療法が中心となります。
当院では、さらに漢方や鍼灸を取り入れた治療も行っています。これらの治療法は、抗炎症作用や止血効果、膀胱粘膜の状態を整える効果が期待でき、西洋薬と併用することで治療効果を最大限に引き出すことが可能です。
また、漢方や鍼灸は、ストレスの緩和にも効果があるため、特発性膀胱炎の治療にも有効です。特に再発を繰り返す猫にとっては、ストレス管理と併せてこれらの治療を行うことで、より良い予後が期待できます。
気を付けるべきポイント
膀胱炎は再発しやすい病気ですので、定期的に尿検査を受けておくと安心です。
また、日頃からストレスの少ない環境を整え、適度な運動や食事管理を心がけて、肥満を予防することも重要です。こうした対策を続けることで、膀胱炎の再発リスクを減らすことができます。
まとめ
猫は膀胱炎になりやすい動物ですので、日頃から排尿の様子を注意深く観察することが大切です。もし、いつもと違う様子が見られたら、できるだけ早めに検査を受けるようにしましょう。
当院では従来の西洋医学に加えて、漢方や鍼灸といった東洋医学を取り入れた統合医療を行っています。
個々の動物の環境、食事、体質などに合わせて、動物専用の漢方薬を処方いたします。オーダーメイドの治療が可能なことが漢方薬の強みです。
東洋医学では、痛みがあるときに単に痛みを抑えるのではなく、その痛みの原因を改善しながら症状を和らげることを目指します。このアプローチにより、ホルモンバランスの乱れや原因が不明な病気の予防と改善にも効果が期待できます。
愛犬や愛猫の健康にお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
■関連する記事はこちらで解説しています
・犬や猫のストレス軽減と鍼灸について|鍼灸で心と体をリラックス
・犬や猫の治療で使う漢方とは|漢方薬の効果や副作用の有無を解説
・犬や猫の治療で使う鍼灸とは|自律神経やホルモンバランスを整える
兵庫県丹波市の動物病院なら『にまいる動物病院』